本研究室では,
医師が患者の傍から近接操作する,人と共存協調できる手術助手ロボットを,医工・産学連携で研究しています.
センシング能力に優れる人と,安定した作業に優れるロボットのいいとこ取りです.
現在の適用対象は,腹腔外科と耳科の手術です.医学的知識は不要です(担当教員も解剖学は分かりません).
医療ロボティクスは,臨床の医師の言葉を工学に翻訳して,機能を実現するエンジニアリングです.ロボット工学で医療を支援します.
研究の詳細は,Researchタブ.
3年生の仮配属となる後期授業では,メカトロニクスの実践技術の取得を通じて,卒業研究に向けた素養を学びます. 具体的には,4年生などの先輩メンターから指導を受けながら,各テーマの課題に取り組み, 部材やデバイスを選定する,機構を確認する,システムを構築する,実験する,という目線でまとめ,授業にて発表します. 3年生前期までに学んだ内容の底上げを図ります.
卒業研究では,腹腔外科と耳科を対象に,マニピュレータ(機械電気系)やインタフェース(情報制御系+画像認識)について,
1人1テーマで取り組みます.基本的には,先輩らの卒業論文や修士論文で明らかになった課題を解決する研究です.
テーマごとに院生がサポートします.
研究の進捗に応じて,共同研究者である医師らと議論したり,最新の動向を調査するなかで,内容は変化していきます.
研究は生き物だと言われます.
卒業生,修了生の研究テーマは,MenbersタブのStudents.
学部の研究は日本初,大学院の研究では世界初を目指して,これまでにないオリジナルのアイデアで自ら研究を進めます.
研究ゼミとは別に,毎週の個別打合せを実施します.
共同研究者との会議,医学系の展示会での出展説明もあります.
研究成果は,国内外の学会で発表します(2年間で国内3回,海外1回が標準).
学会や展示会では,関連する研究内容を含めて議論をします.裾野の広さが大切ですから,積極的に視野を広げていきます.
学術会議などの写真は,Photosタブ.
学術会議での発表は,Publicationsタブ.
研究指導は,毎週の研究ゼミでの進捗報告,技術輪講・論文輪講,学外研究者との連携,卒業論文作成, を通じて行います. 一連の研究活動で課題解決を進めていくなか,発想,予測,手順,実行,修正,時間や費用の見積り, といった社会人スキルが身に付きます.予定調和的に進むことは,ほぼありません.自らの得手不得手を知ることが肝要です.
FM802のROCK KIDS 802にて紹介された修了生の横山くん.
修了生の狩野くん,佐々木くんのメッセージ動画
機構や制御の新しい機能について,リアルサイズで検証して実現します.
春)卒研に向けた準備
3月:メカトロ輪講,修論と卒論の読み込み
4月:テーマ確認,関係する修論or卒論など深読み,論文輪講の開始
CADチュートリアル,ソースコード深読み,実システムを動かして課題を理解
5月:コンセプト策定,解決策の提案,機能と結果予想,概念設計(数式,機構,制御,実験)
夏)研究計画と設計
6月:詳細設計1(計算,CAD,フロー,手法)
7月:詳細設計2(部品選定,ラーニング)
8月:部品発注と加工,実機の制御開始
秋)製作と実験
9月:機構の組立て試作,制御系の構築,予備実験,データ解析
10月:工学的な評価実験,部分改良,考察と再実験
11月:医学的な評価実験,考察,卒論執筆
冬)論文の仕上げ
12月:卒論提出,レビューに基づき修正
1月:卒研審査会の準備,大掃除
2月:審査会,引きつぎ
学生諸君は,研究,講義,就活の時間を自己管理し,プライベートとのバランスがよい学生生活を送ってください. これまでの先輩たちには, 朝練が終わってから早朝に来る漕艇部,昼から来て深夜練習に行くアイスホッケー部,17時にはお稽古事で帰る, 夏休みには自転車で日本中を走る,といった例もあります. 研究室の文化は,学生自らが作り出すので,趣きは毎年ことなります.先輩に聞いてみると,気軽に答えてくれます.
子曰、学而不思則罔、思而不学則殆。(論語,為政第二,第十五)
「学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆うし」
河合俊和